ぶどうの誕生は古く、約1,000万年前には世界中で繁栄していました。それが氷河期にほぼ全滅し、1万年前の最終氷河期を経て奇跡的に残ったぶどうは、南コーカサス、北アメリカ、東アジアの3系統だけでした。このうち、山梨の固有品種である「甲州葡萄」は、DNA鑑定により南コーカサス種に属していることが判明しました。
コーカサス地域から中央アジア、そして中国へと伝わり、仏教の伝来とともに日本に伝わったと言われています。
この南コーカサスには、旧約聖書でノアの箱舟が大洪水のあとに漂着したアララト山(大アラトト山5,137m、小アラトト山3,896m)がありますが、その姿形は「富士山」にそっくりです。
甲州ぶどうはアルメニアのシンボルである「アララト山」から、日本のシンボルである「富士山」に4,000年の時をかけ壮大な旅をしてきのですね。
出典:仲田道弘著「日本ワイン誕生考」(2018年、山梨日日新聞社)
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